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https://weathernews.jp/s/topics/202008/070125/
お腹痛くなる時は細菌かウイルスかいつも悩むけど、カレーは最近っぽいね
ウィッシュ、菌?
暑い夏こそ食べたくなる「カレーライス」。一度にたくさん作って「2日目のカレー」を楽しみにしている方も少なくないと思います。
しかし、この時期はカレーによる食中毒が頻発します。「夏はカレーが大好きな食中毒菌が活発になりやすいので、食中毒が増えるのです」と横浜相原病院(神奈川県横浜市)の吉田勝明院長は言います。
食中毒の原因は加熱に強いウェルシュ菌
カレーの食中毒の原因菌はウェルシュ菌。夏のカレーの調理過程がウェルシュ菌の増殖に好条件となります。
ウェルシュ菌は、カレーの材料になる肉や魚介類、野菜に付着しています。またカレーは大量に加熱調理されることが多い上に、室温で数時間放置されることが多いという点が菌を繁殖させてしまうのです。
「一般的に菌は熱に弱いとされていますが、中には熱抵抗性が強い菌もあり、ウェルシュ菌もそのタイプです。ウェルシュ菌は『芽胞』(がほう、細菌の胞子のようなもの)をつくり、この芽胞は熱に強くて100℃で1時間加熱しても生き残ります。そしてカレーが50℃前後に冷めると芽胞が芽を出して繁殖を始めます。
加熱調理されたカレーをそのまま放置すると、今の時期はなかなか冷めないので、ウェルシュ菌が繁殖する至適温度(43~45℃)や増殖可能な温度帯(12℃~50℃)が長く保たれます。特に至適温度下では、死滅しなかった菌が爆発的に増殖するのです。
体内に入ったウェルシュ菌は、腸管内で増殖して芽胞をつくりますが、芽胞をつくるときにエンテロトキシンという毒素をつくります。その毒素によって、下痢や腹痛といった食中毒特有の症状が現れるのです」(吉田先生)
菌の性質を知って食中毒予防