モントリオール掲示板 (ワーホリ) - No.265030

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モントリオール ワーホリ

「自営業扱い」の仕事について。わたしの体験談と注意喚起。

まうす (モントリオール) 2025-12-16 07:10:37

モントリオールで、とある個人経由の仕事をしている日本人です。
ワーホリ等で似たような形態の「個人経由の仕事」「自営業扱い」の仕事をしている人もいると思うので、自分の体験を、注意喚起の意味も込めて共有します。

特定を避けるため、職種や条件は一部ぼかして書きます。
あくまで一個人の体験談であり、法律の専門的なアドバイスではありません。



【前提:わたしの置かれている状況】

*ステータス:ワーキングホリデーでモントリオール滞在中
*仕事の内容:(詳細はぼかしますが、ごく一般的な職種)
*仕事の窓口:とある個人(以下Aさん)を通している。詳細は後述。
*Aさんからの説明:
 ・「あなたは self-employed(自営業)であって、雇用しているわけではない」
 ・契約書:雇用契約書/業務委託契約書などの書面はなし
*支払い:
 ・時給は$16ドルスタート
 ・支払い方法は e-transfer のみ
 ・給与明細(pay slip)は一度も出ていない



【働き方の実態】

ラベル上は「自営業」と言われていますが、働き方の中身はかなり「アルバイト」に近いです。

・勤務計画、開始時間・終了時間は、すべてAさんが決める
・作業の手順や時間配分、休憩の取り方についても、かなり細かく指示される
・休みを取りたいときは、Aさんを経由した調整が必要
・最低賃金を下回っている

このように、実態は「自分で仕事や給料を選んで自由に請ける自営業」ではなく、
ほぼ「シフト制の従業員」に近いと感じています。



【事の発端:時給アップをお願いしたときのやりとり】

2ヶ月ほど働いたあと、Aさんに「時給16ドルから上げてほしい」と相談しました。
そのとき、Aさんから返ってきた主な内容(要約)は以下の通りです。

・「あなたは税金を払っていない分、実質的には20ドル以上もらっているのと同じだ」
・「これまで、給料に不満を言ってきた“従業員”はいない。みんな仕事を覚えることに集中して、
 効率よく働いて、月2,000〜3,000ドル稼げるようになっている」
・「あなたは日本円に換算すると時給1,800円くらいもらっている。友達は20ドルから税金を
 払っているのだから、あなたの方が有利だ」

一方で、別の場面では、

・「あなたは雇用していない、自営業だから、こちらの保険には入れられない」

とも言われており、「自営業」と「従業員」というラベルが、
都合よく使い分けられている印象を受けました。



【わたしが感じているおかしさ】

・わたしが実際に受け取っているのは”16ドル/h × 勤務時間(h)”で単純計算された金額であり、
 州の定める最低賃金を下回っている。
・「税金を払っていないから実質20ドル以上」という説明は、本来払うべき税金を
 払わない前提で話しているように聞こえ、いまいち理解ができません。
・「自営業だから雇用していない」「自営業だから保険には入れられない」
 と言いながら、 都合の良い場面では「自分の従業員」と呼ぶこともあり、
 実態(従業員に近い)とラベル(自営業)が一致していないと感じています



【カナダでは「名ばかり自営業」が問題になっているらしい】

最近知ったのですが、カナダではこういった
・実態はほぼ従業員なのに
・書類上は「self-employed / independent contractor(自営業)」にされる

というケースが問題になっていて、法律やニュースの世界では
"worker misclassification(労働者の誤分類) "等と呼ばれているそうです。

過去に、清掃系の仕事において、
カナダ最高裁判所で「契約書上は自営業(フランチャイズ)」と書かれていた人が、
実態を見て「これは従業員だ」と認定された判例があります。

*事件名:Modern Cleaning Concept Inc. という清掃フランチャイズの事件
*裁判所:カナダ最高裁判所(Supreme Court of Canada)
*重要ポイント:
 ・契約書に「自営業」と書いてあっても、それだけでは決まらない
 ・実際に、
   ・誰が仕事の内容や時間を決めているか
   ・誰が顧客との関係を握っているか
   ・どこまで指揮命令されているか
  といった「現実の働き方」を見て、従業員か自営業かを判断するべきだ、
  という考え方が裁判所から示された。

わたしのケースも、
・勤務地や時間、やり方を細かく決められている
・顧客との契約やお金の流れはAさんが握っている
という点で、
「契約書がない=何も問題ない」ではないのだろうな…と感じています。



【考えられるリスク・グレーなポイント】

以上の判明している状況を整理し、あくまで「わたしが不安に感じている点」はこんな感じです。

*実態としては
 ・シフトや勤務時間
 ・作業内容・休憩の取り方
 を強くコントロールされており、自由度の高い自営業というより、
 従業員に近い働き方になっている。
*それにもかかわらず、
 ・実質時給が最低賃金を下回ることがある。
 ・給与明細や税務書類(T4/T4Aなど)が出ていない。
 ・CNESST(労災)、年金、EIなど、従業員としての保護から外されている可能性がある。
 → いわゆる「名ばかり自営業(worker misclassification)」のような状態と感じている。
*仕事中にケガをした場合、
 誰のどの保険でカバーされるのかがはっきりせず、実質的に「自己責任」扱いになっている。



【これからわたしが取ろうとしている行動】

*まず、自分の働いた内容をできるだけ詳細に記録するつもりです
 ・日付
 ・勤務地
 ・勤務時間
 ・その日に発生した給料
(スプレッドシートで共有されていた過去〜未来分の勤務計画が、今回の一件を機に閲覧できないようになっていましたが、同じファイルのコピーを個人ファイルとして保存済みなので必要であれば提出ができる状態。)

*そのうえで(今後のAさんとの取引次第では、)モントリオール/ケベックの
 労働者支援団体やCNESSTに相談し、
 ・このような働き方が「従業員」として扱われるべきなのか
 ・最低賃金や保険の面で問題がないか
 を確認したいと考えています。
*税金についても、タックスクリニック等で
 この収入をどのように申告するのが適切か相談する予定です



【この投稿を読んでほしい人へ】

*モントリオールで、「自営業だから」「雇用していないから」という理由で、
 ・最低賃金ギリギリ/以下
 ・給与明細なし
 ・保険や税金の説明もほぼない
 といった条件で働いている方がいれば、一度、自分の働き方と立場を
見直してみてほしいと思い、この投稿を書きました。

わたし自身もまだ勉強中ですが、同じような状況で悩んでいる方がいたら、
「ひとりで我慢しなくていい」ということだけでも伝われば嬉しいです。